夜、国道を走る車をゆっくり追っていた。何かを探しているようだ。まるで覚醒したような恐怖の心が、古い樹木を過ぎるシャドウに重なっている感覚。それは、都会の輝きから消えた死骸が消息を絶つ前に見せた足取りようなものだった。
いつしかベッドに入って、闇夜の中で目覚めた。だめだ……車の照明が突然消えたのだ。外が一層暗くなるので、明かりのない部屋だ。恐怖が急上昇してとても落ち着かなかった。時間の流れを感じることができなかった。
そして突然、それは外にいたのか? 影が部屋をシャドウのように周回した。だが、なぜか異形な影だけでなく、顔もわかったのだ。子供が身を乗り出してきて、口元に芯を突き出すような空洞な笑みで話しかけてくる。
「何を探しているの?」
恐怖しかない。もう一度内に戻ることを決心すると、あの謎のお化けは再び出現した。子供たちに連れられて、不気味な場所に行かされた。何者かに屈従するか、抗うかの二者択一の道から、拒絶したあげく、何故か連れ去られてしまう。
しかしそこは、動力のない機械が立ち並んだ秘密の工場だった。黙々と作品を持ち運ぶ人間の影しかなく、夜なのにずっと照明が点いている。さらに奇妙なことに、突如全ての機械が止まった。そしてその中にあっさりと浮かび上がった影が読み上げた言葉に気づいた。
「本当の恐怖は、ここから始まる」。
思わず膝をつき、手を合わせて仰ぎ瞑る。不気味な力が暗闇で回り、恐ろしい予感が襲ってきた。不条理な気持ちを握りつぶし、勇気を持って部屋を出たが、深い闇と、混沌とした時間を感じた。そう、本当の恐怖は、今ここから始まるのだった……。